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看護師
方丈 善恵さん
「病院内にカウンセリングルームを設立し、
 透析を始めて1年ほどの患者さんを対象に
 カウンセリングを行っています。」
現在のお仕事と心理カウンセリングを学ぼうと思ったきっかけを教えてください。
 現在は透析専門のクリニックに在籍し、勤務先の病院の中でカウンセリングルームを作り、透析を受けている患者様中心にカウンセリングを行っています。

 透析はどうしても必要になった段階で導入することになりますが、このときに患者さんの透析への気持ちの準備ができていないことがほとんどで、透析導入への意識が弱く、なんの気持ちのフォローがないまま過ぎてしまいます。状態が落ち着いてきた時も「食べたい物や飲みたい物を制限される」ことや「2日に一回4時間ずつこれからずっと通院して針を刺さなければならない」という現実を見せつけられます。私たち看護師は、仕事に追われ、働いているときは患者さんとゆっくり話をする時間が作れません。患者さんの気持ちを受け入れるなどということはなかなかできなくて、これじゃあ患者さんもきついだろうなあと感じ、自分が役に立てる資格を探しているうちに、カウンセリングという言葉に出会いました。

 患者さんの気持ちから影響を受けてしまって、自分自身が重くなってきてしまった時期もあったので、仕事を続けていくにも「いい方法で抜け出さなくちゃいけないな」と感じて、自分のためにも勉強したいと思いました。

どんなカウンセリングしているのですか?
 対象は透析始めて1年以内くらいの人が多いです。まだ透析を理解して受け入れることが難しい人、体重のコントロールが不安定な人が主になっています。

 医師が患者さん個々に適切な基本体重を設定するのですが、日常生活の中で、基準の体重にプラスされた余分な水分量を透析によって除水し、元の基準体重に戻します。体重(水分)のコントロールがうまくいかない原因として、食事や水分の制限に伴うストレスや、家族や職場などでの人間関係でのストレスなど、日常生活で抱える問題が大きく関わっているのではないかと考えており、カウンセリングによって、ストレスが軽減し、日常生活の問題を整理することができたら、ストレスで過剰に食べたり飲んだりする必要もなくなり、適切な体重を維持できるようになるのではないかと考えています。

 カウンセリングを始めて、患者さんの表情や言っていることがすごく変わってくるのを実感でき、「あ、こんなに変わるものなんだな。」って思いました。特に、家で話をしても聴いてくれる人がいないというストレスは大きいようです。一人暮らしの方も多いですし、クライアントである患者さんにとっても、カウンセリングを受けることで、透析に来るという苦痛が少しでも緩和されるきっかけになればと思っています。

 本当に基本は「聴いている」だけ、「傾聴」が基本です。最初は、その人を何とかしたい、と思いながらやっていたのですが、焦って行き詰ってしまい、学院講師の青山先生に相談しました。そうしたら、青山先生は「ほんとに聴いてあげることが何より大事だから。」と言ってくれました。「『カウンセリングで患者さんをよくしよう』なんて考えなくてもいいから」ってアドバイスを頂いてから、すごく気持ちが楽になって、介入できるところは介入して、あとは聴くことに専念するようになりました。

 また、学院の池田先生の、「今日はどんな楽しい話を聞かせてくれるんだろう、と思いながら、いつもクライアントと会っている。」という話が心の中に残っていて、その気持ちでカウンセリングをやっています。患者さんにとっての重たい話でも、「私に聴かせてくれている話なんだ」と思いながら聴いていると、聴くことが苦になったり、一緒に気分が落ちてしまったりというようなことはありません。先生たちの一言も大きいですね。

今後の抱負を聞かせてください。
 やっと看護学会でも「メンタルケア」という言葉が出てくるようになって、カウンセリングを研究している病院も増えてきています。

 本当は勤務時間内にカウンセリングができればいいんですが、看護師としての業務だけで時間が過ぎてしまい、「患者さんの話を聴く」という業務は後回しになってしまいます。でも、カウンセリングの必要性を周りのスタッフ達にも認めてもらえれば、カウンセリングを受ける人も増えてくると思いますね。どんどん広げていきたいです。

 ある日、患者さんが私の上司である師長に「私、カウンセリングというのをやったことがなくて、どんなものかも全然わからなくて、声をかけられた時にどうしようって思ったんです。でも、あれやって私はすごく気持ちが軽くなったんですよ。」って言ってくれていたんだそうです。それを聞いた時はすごく嬉しくて、私の自信にもつながりました。そんな言葉に励まされながら、カウンセリングをずっと続けていけたらと思っています。
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