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心理カウンセリングとは 心理学・カウンセラー誕生 心理カウンセラーについて 心理カウンセラーの基礎知識
【人名】
心理カウンセラーの基礎知識
【参考文献】

心理カウンセリングの基礎知識【参考文献】

 
 「追補・精神科診断面接のコツ」 税抜¥3,000
 「精神科面接のコツ」 税抜¥2,500
 「精神科養生のコツ」 税抜¥3,000
 「発想の航跡」 税抜¥8,000

 神田橋條治著 岩崎学術出版社
心理カウンセラー必携の本(1)
 
「追補・精神科診断面接のコツ」「精神科面接のコツ」は、治療者の側から見た精神療法の3つの機能、「読み取る」「関わる」「伝える」について、その技術が伝承されるように専門家に向けて書かれたものです(「読み取る」が「診断面接のコツ」に、「関わる」「伝える」が「面接のコツ」にあたります)。鋭い観察力のある著者が、20年を越える臨床経験の中でさまざまに工夫し身につけた、面接技術という言葉にしがたい技術、「反復練習により、知らず知らずに身体に染み込んでいて、それが必要となった瞬間に、無意識裏に発揮される」実務作業における技術が、工夫を凝らしてコトバにされています。この2冊は、著者自身が「前二冊は、自力では改定不可能と思う程度まで練り上げて書きました」と書いています。

コツ三部作の締めくくりとして、精神科の患者のための養生の手引書として書かれたものが「養生のコツ」で、「わたくしが最も書きたかったこの本は、発想から十年以上、執筆開始から五年近くをかけて、ようやくできあがりました」と紹介されています。著者が、患者とともに手探りで工夫してきた、患者の自助活動に役立つさまざまな助言や提案が、基本的なものから応用へと順に述べられています。

著者の四半世紀にわたる精神科臨床の流れをより深く理解するためには、著者が自選した論文や書評や講演記録が発表年代順に並べられ、それらの文章に対する「追想」が掲載されている「発想の航跡」も是非一読を薦めます。
 「精神療法の経験」 税抜¥4,660
 「精神療法の技法論」 税抜¥4,200

 成田善弘著 金剛出版
心理カウンセラー必携の本(2)
 
精神科医である著者が、精神療法の技術的側面に関して著した論文をまとめた論文集2冊です。この2冊に掲載されている論文は、著者が40歳を過ぎてから書かれたものがほとんどであり、「精神療法の経験」の序に「私は精神療法家としての技術をできるだけ向上させたいと念願してきたし、今もそのつもりなので、今まで書いたものを技法論としてまとめることは本望だと思った」とあるように、著者の豊かな臨床経験にもとづいた精神療法家としての基本的な態度や技法、日常の臨床に役立つ多くの知見がちりばめられています。また、必要のある箇所では、文献を丁寧にわかりやすく整理したうえで、自論が展開されている点、また、「精神療法の技法論」・章の書評について「本という対象と関わる私の姿勢には、患者と関わる治療者の姿勢と似ているところもすこしあると思う」と述べた上で鋭い書評が掲載されている点など、随所に著者の治療者としての実直な姿勢がうかがえます。
 「新訂 方法としての面接 臨床家のために」 税抜¥1,800

 土居健郎著 医学書院
心理カウンセラー必携の本(3)
 
本書は精神科医である著者が、主に精神科臨床のための心得を記した書籍です。面接初期段階の患者との接し方、面接の進め方の方法論、面接とその時間を共にする医者と患者との精神的距離感について、見立ての重要性、面接を進める中での患者をとり巻く家族への精神科医の対応の秘訣など、面接に活かすべき内容が数多く盛り込まれています。また、「関与しながらの観察とは」「患者に対する尊敬について」「非言語的コミュニケーションの重要性」など、各章の終わりごとに【註】として、心理臨床を行う上での重要なキーポイントが取りあげられています。面接がいかに治療的意味をもつか,あるいは逆にいかに有害に働くかを学ぶ上で、必読の名著です。
 「精神分析」 税抜¥960

 土居健郎著 講談社学術文庫
心理カウンセラー必携の本(4)
 
「『甘え』理論」で有名な著者が、昭和31年(1956年)に著した精神分析の概説です。「学術文庫へのまえがき」に、「本書の最大の特徴は、ふつうの日本語で精神分析の考え方を紹介したことにある。いやそれよりも、日本語の表現の中に潜在的にふくまれている精神分析的洞察を引き出そうとしたというほうが、私の真意に近い」とあるように、「無意識」など抽象的になりやすい精神分析の概念が、日常語で丁寧に解説されています。この仕事は、この本が書かれた時代的な古さや、それによる訳語の古さを補って余りあるものでしょう。また、この本に見られる「言葉(日本語)」のメタファー的表現について洞察・解釈する態度が、後の「『甘え』理論」や、北山修の日本語臨床などに発展していることを考え合わせると、精神分析を学ぶ上で大変価値のある一冊と言えるでしょう。
 「対象喪失 悲しむということ」 税抜¥680

 小此木啓吾著 中公新書
心理カウンセラー必携の本(5)
 
肉親との死別、愛の喪失、失職、受験の失敗等々日ごろ馴れ親しんだ対象を喪ったときその悲しみをどう耐え乗り越えていくかは、人間にとって永遠の課題です。悲哀の苦痛を通してはじめて人間は失った対象とのかかわりを再認識し、自立した心を取り戻すことができるのですが、今日、悲哀と向き合うことを避け、感情を表さないように生きている人々が増えています。愛情を注ぐ対象、依存する対象を失ったとき、そのときの悲しみや怒り、悔しさといった感情を十分に感じきることをさけてしまう人々が、不安や恐怖にさいなまれながら生きています。

この本は、このような風潮の現代に、フロイトによって確立された「悲哀の仕事(モーニング・ワーク)」の意味を提示し、喪失の悲しみと向き合い、ひとつひとつ解決していくという自然の営みの大切さを説いています。悲哀のプロセスが達成されないために、心身の病や狂いが引き起こされるという、著者は、精神分析そのものをフロイトの「悲哀の仕事」の所産と主張したいと考えています。それだけに対象の喪失とそれに続くプロセスを理解することが、精神医学上も重要なことであることを、私たちに伝えようとしています。実例として紹介される人物像を通して、精神分析の世界に触れながら、自分自身の内的世界−喪失感、死生観とも向き合う機会としてみてはいかがでしょうか。
 「傷つきやすい子供という神話」 税抜¥3,000

 ウルズラ・ヌーバー 岩波書店
心理カウンセラー必携の本(6)
 
「トラウマ」「〈子ども時代〉の心の傷」という言葉が、心理学の分野だけでなく広く一般的に使われている昨今の風潮に対し、「〈子ども時代〉のトラウマには力があると思うのは、神話である」と真っ向から異を唱える本書の内容は、ともすれば過去−現在の因果論にとらわれがちな分析好きの心理カウンセラーを「今ここ」に連れ戻してくれる妙薬と言えます。著者であるウルズラ・ヌーバーは、心理カウンセラーによって取り上げられ、メディアによって流布される「トラウマ」「〈子ども時代〉の心の傷」といった概念が持つ悪影響について、映画や実際の臨床例を解説しながら考察しています。しかしヌーバーの主張は決して〈子ども時代〉を軽視したものではなく、むしろ現状の問題を〈子ども時代〉に帰することで長引かせることをさけ、これからの人生を自らの手で自由に創っていくことの重要性について語っているのです。

本書で著者が一貫して発信しているのは、「犠牲者意識を手放し、今ここの自己責任を引き受けることで、人は人生のより豊かな可能性に気づくことができる」というメッセージです。心理カウンセラーとして他者の人生に関わる私たちは、本書を読むことで援助者としての自分の在り方を見直す機会を得ることができるでしょう。
 「逆抵抗」 税抜¥4,800

 H.S.ストリーン著 金剛出版
心理カウンセラー必携の本(7)
 
「心理療法とは、クライエントのみならず治療者にとっても、不安を喚起する強烈な体験である」という書き出しで始まる本書は、治療の進展を阻む治療者の側の無意識の行為を「逆抵抗」ととらえ、著者がスーパーヴァイズした事例を挙げながら治療者が陥る典型的な「逆抵抗」を浮き彫りにしていきます。

「クライエントが自らの抵抗を解消できるかどうかは、治療者が自分の逆抵抗を解決できるか否かに大いに左右されることを、読者にはぜひ理解していただきたい。治療者が人間としての自分自身の誤りを認めることができれば、クライエントがそうすることを手助けすることもできるのである」とする本書は、私たちがクライエントに対して持つファンタジーや感情に直面すること、治療の中で起こる不安から自分を守るために治療者自身が防衛機制を使っていることを認めること、そして自らその「逆抵抗」を解決し、より適切にクライエントと関わることのできる自分を作るための素晴らしいテキストです。
 「ブリーフセラピー入門」 税抜¥3,700
 
 宮田敬一 金剛出版
心理カウンセラー必携の本(8)
 
本書は、日本におけるブリーフセラピーの第一人者である宮田敬一を編者とするブリーフセラピーの入門書で、さまざまな技法を実践の中で活用している代表的な臨床家、研究者によって、その基本的な理論と技法の実際とが簡明に解説されています。ブリーフセラピーはその源流をミルトン・H・エリクソンに発します。本書では、まずエリクソンの催眠・心理療法から発展し、問題解決の独自なアプローチを展開している治療モデルをブリーフセラピーとして取り上げ、さらに、家庭内暴力、不登校など具体的な事例についても触れています。本書を読むことで、問題を排除すべきものとして捕らえるだけではなく、解決努力などクライエントのポジティブな面を見つけようという姿勢で傾聴していく工夫や、「問題」と「解決」の差異をとらえて、「解決」に焦点を当てるテクニックなど、過去の問題を問わずに、現在とその解に焦点を当てる発想とその技術を深く理解できるでしょう。
 「シングル・セッション・セラピー」 税抜¥2,800

 モーシィ・タルモン著 金剛出版
心理カウンセラー必携の本(9)
 
これは「たった一回セッションを受けただけで来なくなったクライエントのケース(シングル・セッション・セラピー:SST)」の研究について書かれた本です。著者のモーシィ・タルモン博士は、日本よりもはるかにカウンセリング、サイコセラピーが普及しているアメリカでセラピーを行うなかで、シングル・セッションで終わるケースの多さに「自分のセラピーはダメなのかもしれない」という疑念を抱き、SSTを受けたクライエントについて追跡調査を行いました。本書では、この調査研究を行う中でタルモン博士が発見したクライエントのケース後の変化やシングル・セッションの有効性、またクライエントのタイプ別の対応方法などについて、実例を交えて分かりやすく解説しています。すべての心理カウンセラーにとって共通の疑問や「役に立たなかったのではないか・・・」という思いに対し、この研究結果は心理カウンセラーを過度の自責から解放すると同時に、1セッションに全力投球することの重要性を教えてくれます。またクライエントの来所回数によって収入が決まる‘心理カウンセラー’という職業を選択する者にとって一大テーマである「時間とお金の管理法」についても書かれているユニークな専門書と言えるでしょう。なお日本臨床心理カウンセリング協会は2003年8月に、本書の共著者であるマイケル・F・ホイト博士を招聘し、大講演会を開催いたしました。
 「成長のための効果的な方法」 税抜¥1,400

 E・H・マーカス著 国谷誠朗 編訳 チーム医療
心理カウンセラー必携の本(10)
 
精神科医E・H・マーカスのゲシュタルト・セラピー、誘導イメージ、神経言語プログラミングについての個別の著作を、国谷誠朗が一冊に編したもので、それぞれの心理療法を講演会や実際のケースの記録もまじえて論じられています。110ページほどの小冊子ですが、キーとなる専門用語の解説も充実しており、中身が濃く、理論と実践のエッセンスが伝わってきます。第一部のゲシュタルト・セラピー入門は、著者の講演会の記録に基づくものですが、読んだ後に、ゲシュタルト・セラピーがどのようなものなのか、イメージが湧いてきます。その後も、5〜6ページほどの短い論文やケーススタディなどが続きますが、それぞれ、短い文章であるにもかかわらす、ポイントが整理されていて、不思議とわかりやすい。知らない用語や療法の名前があったら、調べてみると、「今、ここ」の体験に主題をおく、ゲシュタルト・セラピーの特徴をさらに深く理解する助けとなります。ヒンズー教や禅宗、チャクラ、瞑想といった、宗教的な概念にも論述の範囲がひろがっているので、偏見を持たずに受け取ることができるかは、読み手の価値観を問われるところもあります。ゲシュタルトの「今ここ」の体験の延長上に誘導イメージ法を位置づけて、ゲシュタルト・セラピー的なイメージ誘導の実際が第二部で紹介されています。

第三部は、神経言語プログラミング(NLP)について論じられ、とても、シンプルに的を得たものになっている印象です。NLPの全容を網羅するものではないのですが、実践のポイントに焦点をあてて、技法や理論的根拠が述べられています。NLPの専門書を読んだ後でも、新しい発見につながるヒントがちりばめられている、プロフェッショナル指向の雰囲気のある一冊です。
 「催眠誘導」 税抜¥1,560

 リチャード・バンドラー&  ジョン・グリンダー著
 星雲社
心理カウンセラー必携の本(11)
 
著者であるリチャード・バンドラーとジョン・グリンダーの二人は、天才心理療法家といわれた、ミルトンエリクソンの催眠誘導技法を分析解明し、誰もが使える技術にまとめ、さらに、ほかの心理療法の優れたところを取り入れて、NLP(Neuro-Linguistic Programming:神経言語プログラミング)という、きわめて実用的なサイコセラピーとコミュニケーションの技法を創造し体系づけました。

本書では、著者が実際のセミナーで行った講義の模様を通して、エリクソン流の催眠技術を誰もが習得できるよう、基礎から中級レベルの技術まで、とてもわかりやすく解説されています。セミナーの参加者のつもりになって読み進むうちに、エリクソン催眠の世界に引き込まれます。初心者にとってはじめての言葉も、エクササイズや実例が豊富に紹介されているので、体験的に意味を捉えることができ、現代催眠といわれるエリクソン催眠の入門書に最適です。また、これからNLPを学んでいこうとする人にも、ぜひお薦めの一冊です。
 「プロセス指向心理学入門」 税抜¥2,625

 藤見幸雄・諸富祥彦 編著
 春秋社
心理カウンセラー必携の本(12)
 
「プロセス指向心理学(Process Oriented Psychotherapy)」は、心理学の第四の流れと呼ばれている、トランスパーソナル心理学のセラピーの中でも、もっとも効果的な臨床的アプローチと言われています。本書は、日本のプロセス指向心理学の第一人者である藤見幸雄氏と諸富祥彦氏が中心となり編集されたプロセス指向心理学(POP)の入門書です。まだ、なじみの薄かったPOPを、二十人余りの心理臨床家が、それぞれの立場からとらえて、多くの事例とともに紹介しています。創始者であるアーノルド・ミンデルの人となりや、プロセスワークの誕生にまつわるエピソードも興味深いところです。

POPは本を読んだだけでは、とても理解できるものではありません。心と身体、世界とのつながりを、道教や神智学、禅、シャーマニズムなども取り込み、ドリームボディという概念を導入し、より広い視点から理解しようとする実践的理論です。本書はその一端を知り、学び始めるための第一歩として最適の本です。

POP関連の書籍は、他にも多くのものが翻訳され出版されているので、以下に紹介します。
「プロセス指向心理学」
「ドリームボディーワーク」
「うしろ向きに馬に乗る」
「24時間の明晰夢」
「プロセス指向心理学〜夢分析を超えて」(以上、春秋社)
「ドリームボディ」(誠信書房)
「シャーマンズボディ」「メタスキル」(コスモス・ライブラリー)
「昏睡状態の人と対話する」(NHKブックス)
「紛争の心理学」(講談社現代新書)
 「自分さがしの瞑想 ひとりで始めるプロセスワーク」 税抜¥1,600

 アーノルド・ミンデル 地湧社
 
本書はプロセス指向心理学(POP)の創始者アーノルド・ミンデル博士によって書かれたプロセスワークの解説書であり、心理学になじみのない読者でも「瞑想」をキーコンセプトにプロセスワークおよびPOPが理解できるよう平易な言葉で書かれた入門書と言えます。そして同時に、東洋と西洋の心理学の違いや意識と身体の繋がり、またユングの能動的イメージ法や夢を読み解く方法(ドリームワーク)などについて、経験豊富な心理カウンセラーであるミンデル博士が自身の体験を踏まえて記した、心理学専門書としても価値の高い一冊です。

この本の中で、ミンデル博士は「どんな出来事にも意味がある」「すべての出来事は何かを伝えるためのもの」であるという立場から、読者が自分の身体、感情、夢、対人関係などとより深くつきあい、それらから豊かなメッセージを受け取る方法を具体的に提示しています。

ここで言う「瞑想」とは、無意識的な身体の動きや感情の変化、対人関係の出来事などを受容的な態度で受け入れることで、自分の中で起きつつある変化や成長のプロセスに気づき、ワークを通して「そのプロセスをして展開するに任せる」という、まさに瞑想的な姿勢で自分自身に向き合うことを言います。心理カウンセラーとしてこのような視点を持つことは、「クライエントの無意識的なプロセス(成長への傾向)を信頼し、受容的な態度で寄り添う」ことを可能にしてくれるでしょう。
 「フォーカシング」 税抜¥3,600

 ユージン・T・ジェンドリン 福村出版
心理カウンセラー必携の本(14)
 
「フォーカシング」とは、ヒューマニスティック心理学の流れを汲む、身体感覚(運動感覚)に焦点をあてた心理療法の一技法であり、クライエントが思考レベルで抱えている問題に対し、クライエント自身がその身体感覚に意識を向けていくことで、彼らの身体がすでに内包している独自の答えを引き出していくというアプローチです。本書には「カウンセリングの成功と失敗を分けるものは何か」を探る研究からフォーカシングという技法が開発されるにいたった経緯、フォーカシングの手順、実際の臨床例が紹介されています。カール・ロジャースに師事し、自らが経験豊富なカウンセラーである著者ユージン・T・ジェンドリンの語り口は、身体の感覚を深く丁寧に感じながら言語化していくという、まさにフォーカシングそのままの繊細さと克明さで、個人の内的感覚という表現しがたい内容を明快に解説しています。本書はフォーカシングの理論や方法論を知るためのみならず、実践する際の手引き書としても格好の良書と言えます。
 「精神病理学とは何だろうか」 税抜¥3,800

 松本雅彦 星和書店
心理カウンセラー必携の本(15)
 
「もともと生物にとっては、無用のものであったはずの医学。生きのびる者は生きのび、死ぬ者は死ぬ、という生物の原則がある。ほとんどの人は病院のお世話になることなく、一生を終えることができるなら、そんなに幸せなことはないと考えているはずである。やむをえず病院に行ったとすると、そこにまっているのは、『過剰なもの』と思わざるをえない現代の医学である。その中でも、自然界に存在することのない、もっとも余分なものが精神医学だということになりそうだ。」(本文より)という視点を持つ、医師であり精神病理学者である筆者が、精神医学の一分野である精神病理学について、歴史的な流れに沿いながら、その成立過程をひもといています。精神医学とともに成立の過程を辿ってきた精神病理学ですが、その定義を「コトバを通して病める心のありようをわかろうとする学問」と簡単にすることから始めて、哲学的な領域へ踏み込みながらも、専門外の人にとってもわかるように構成されています。精神病といわれる病理を、精神医学では、どのようなものと捉えてきているのかを知ることができる本として、一読をお薦めします。

第三部は、神経言語プログラミング(NLP)について論じられ、とても、シンプルに的を得たものになっている印象です。NLPの全容を網羅するものではないのですが、実践のポイントに焦点をあてて、技法や理論的根拠が述べられています。NLPの専門書を読んだ後でも、新しい発見につながるヒントがちりばめられている、プロフェッショナル指向の雰囲気のある一冊です。
 「続・気楽なさとり方」 税抜¥1,238

 宝彩有菜 日本教文社
心理カウンセラー必携の本(16)
 
さとりを求めて教えを乞う弟子と師のやりとりを通して、日常生活の場面で起こることを題材にとりあげながら、さとるための方法がコミカルなタッチで分かりやすく著されています。

神秘的に思える“さとり”。しかし、師、笑雲先生は、「“さとり”は技術だ。科学だ。誰でも日常で練習すればさとれる」と言います。日常の練習、すなわち修業を続けていけば、誰でも、さとることができるのだと、イエスの言葉−聖書からの引用という形をとって愚か者の弟子、小松茸に伝えていくという形をとっています。「右の頬を打たれたら、左の頬も出してみる」「汝の敵を愛せよ」という言葉の意味を、欲望の正しいコントロール法や感謝、奉仕、愛の修業といったものにつなげ、他者とのやりとりの中で自分自身の内面におこる反応に気づき、洞察し、よりよい行動や表現へと結びつける方法が語られています。臨床心理学的な側面を考えながら読んでみるとさらに興味深く、情動に同一化している自我や価値観への囚われを、離れて観察できる主体を育むことが“さとり”への第一歩であることがわかってくる。知識を得るだけでなく、実際に体験することが大切です。

禅の教えを通して、さとりの技術を伝えようとする、前作の「気楽なさとり方」も、気軽に読めるが、奥の深い、さとりへの案内書です。
 
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